本音が苦手な子どもの代わりに伝える「アドボケイト」養成講座

虐待を受けたり親を失うなどして児童養護施設などで暮らす子どもたちの中には、自分の本音を周囲に伝えることが苦手な子も少なくないと言われています。
このため、こうした子どものもとを訪れて、考えを代わりに伝える、代弁者を意味する「アドボケイト」という役割が注目されていて、高松市では9日、養成講座が行われました。

この講座は、NPO法人「全国子どもアドボカシー協議会」などが県内で初めて開いたもので、県内外からオンライン参加者も含めて主婦や学生などおよそ40人が参加しました。

講座では、始めに「アドボケイト」を児童養護施設などに派遣している県内の事業所の合木啓雄理事長が、講座を受講する際の注意事項や流れについて説明しました。

続いて、アドボケイトの活動に詳しい大分大学の相澤仁教授が、「アドボケイトが子どものペースにあわせて意見を聞き出すことで子どもが声を上げやすい環境を作ることが大切さだ」とその役割を説明しました。

この講座は今後20回程度行われることになっていて、すべてを受講し修了証を受け取った人が児童養護施設などを訪れて活動を始めるということです。

参加した40代の女性は「言いたくても言えない子どもたちはたぶんたくさんいると思うので、対等に話を聞くっていうのが大事だなと思いました」と話していました。

また、参加した30代の男性は「大人は子どもに対して自分の意見や思いを押しつけがちの部分があるので、意見表明しやすい環境を作ってあげることが大切だと思いました」と話していました。

講演を行った相澤教授は「養成講座を受けた人にアドボケイトになってもらい実際に活動に参画していただき、多くの子どもたちの意見表明の支援ができるようになればいい」と話していました。