豊島の整地工事始まる 処分地の住民への返還に向け 土庄町

大量の産業廃棄物が不法投棄された豊島で、廃棄物が投棄されていた処分地の住民への返還に向けて、21日から土地の整地工事が始まりました。

土庄町の豊島では、産業廃棄物の搬出はすでに終わっていますが、地下水の浄化作業で処分地には穴などが残る状態となっていて、県が危険の無い状態に整地した上で、住民側に返還することになっています。

これに向けて、21日から土地をなだらかにする整地工事が始まり午前中、ダンプで運ばれてきた土で重機を使って排水路を埋める作業が行われました。

県は、国の財政支援を定めた特別措置法の期限を踏まえ、来年2月までに大がかりな工事を終えたいとしていて、整地工事とあわせて、人工の井戸などの撤去も進めています。

一方、土地の返還には地下水を飲み水として飲み続けても健康に問題ない程度とされる、「環境基準」を達成する必要がありますが、めどはたっていません。

香川県廃棄物対策課の富田康志室長は、「国からの財政支援を受けながら廃棄物処理などひとつひとつ進めてきた。今後も、環境基準の達成まで維持や管理が必要で、責任を持って取り組みたい」と話していました。

「豊島住民会議」の安岐正三事務局長は「予定通り整地作業に入れたが地下水の自然浄化にはまだまだ時間がかかる。今後も問題が出てくるかもしれないが、粘り強く検討したい」と話していました。