4月から変わる「値段」「サービス」「法律・制度」 あれこれ

これまでも相次いでいた日用品など生活に関わる身近な商品やサービスの値上げですが、4月からも続きそうです。

ウクライナ情勢の緊迫化などで政府は輸入した小麦を製粉会社などに売り渡す価格を来月から17%あまり引き上げます。

パンやうどんの価格などに影響が及ぶ可能性があります。
大手の「日清オイリオグループ」と「J−オイルミルズ」は大豆などの原材料の高騰などから、家庭用で1キロあたり40円以上値上げします。

また、原油や天然ガスなどエネルギー価格や輸送コストの上昇により、「大塚商品」がミネラルウォーターやレトルト食品を10円値上げするほか、「雪印メグミルク」も、原材料の高騰に加え、円安の進行により、家庭用チーズを10円から20円程度、最大で10%値上げすることにしています。

さらに四国電力によると使用量が平均的な家庭の電気料金は、4月分は52円上がって7891円になるとしているほか、5月分の値上げも決まっていて15か月連続の値上げとなります。

四国ガスによると4月分は、一般的な家庭で60円の値上げで、8か月連続の値上げだということです。

【成人年齢が18歳に引き下げ】
民法が改正され、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられます。
香川県内では、ことし4月の時点で「成人」とみなされる18歳、19歳はおよそ1万8000人と推計されています。
成人になると、親の同意なしに1人でさまざまな契約を結べるようになります。
例えばクレジットカードの作成や、携帯電話の契約、生命保険や損害保険の加入ができるようになります。
また、車のローンや、アパートなどの契約も法律上は可能です。
一方で注意も必要です。
成人になると、親の同意がなく結ばれた契約について、後で本人や保護者などが原則取り消すことができる「未成年者取消権」が使えなくなります。
県消費生活センターによりますと昨年度にセンターに寄せられた相談のうち、83件が18歳・19歳からの相談で、昨年度までの過去5年間でみると増加傾向にあります。

国民生活センターでは「18歳・19歳に気を付けてほしい消費者トラブル最新10選」として、これまでの相談事例などを参考に賃貸住宅や電力の契約など、新生活に関連したものや消費者金融からの借り入れやクレジットカードのトラブルなどうまい話やもうけ話に注意してほしいと呼びかけています。

婚姻年齢は、男性はこれまで通り18歳、女性は16歳から引き上げられて18歳に統一されることになります。
また選挙権を得る年齢は、すでに公職選挙法が改正されていて、18歳からとなっています。

成人年齢が引き下げられても変わらないこともあります。
飲酒や喫煙、競馬や競輪などの公営ギャンブルは20歳未満禁止のままです。国民年金に加入する義務が生じる年齢も20歳以上のままで変わりません。

また、あわせて少年法も改正され、18歳や19歳は「特定少年」として保護を受けるものの、家庭裁判所から検察に送り返す「逆送」と呼ばれる手続きの対象事件が拡大され、起訴されるとこれまで匿名とされてきた事件でも、実名や顔写真などを報道することも可能となります。

【公的年金制度も変更】
◆まず、年金の受給開始年齢が、◇現在、60歳から70歳の間で選ぶことができますが、◇選択の幅が拡大し、60歳から75歳の間で選べるようになります。
年金額は、65歳より早く受け取り始めた場合は1か月あたり0.4%減る一方65歳より送らせた場合は1か月あたり0.7%増えます。
75歳から受け取り始めると、65歳からの場合と比べ、年金額は84%増えることになり高齢者の就労を促す狙いがあるということです。
◆一方、支給額は、年金の支給額は物価と賃金の変動に応じて毎年改定されていますが、現役世代の賃金水準が下がったことから来月分からは、0.4%引き下げられます。
1か月あたりの支給額は、自営業者が受け取る国民年金で6万4816円と、前の年度から259円減るほか厚生年金では、平均的な収入が夫婦2人の世帯で21万9593円と、903円減ります。

【使い捨てプラスチック製品の削減に関する法律も施行】
あす4月1日、「プラスチック資源循環法」が施行され、使い捨てのプラスチック製品の削減が企業に求められることになり、香川県内のホテルなどの事業者も対応を始めています。

新たに施行される法律では、ホテルの歯ブラシや、コンビニのスプーンなど、使い捨てのプラスチック製品を年間5トン以上提供している小売店や宿泊施設、飲食店などの事業者に対し、削減に向けた取り組みが義務化されます。

このうち、高松市中心部にあるホテルでは、プラスチック製の歯ブラシやカミソリなどを年間およそ2トン使用しています。

そのほとんどは歯ブラシですが、バイオマス素材を配合したものにしたり、柄の部分をくりぬいて軽量化したりしたものに順次、切り替えていくということです。こうした見直しで、4割ほどの削減を見込んでいるということです。

辻田浩一総支配人は「客室にあって当たり前というのがアメニティーなので、今後も客室には用意しますし、お客様に不便はかけないようにしながら、取り組んでいきたい。お客様から見て違いは分かりにくいかもしれませんがプラスチックの削減に取り組んでいることは、ホテルとしてしっかりアピールしていきたい」と話していました。

香川県内でクリーニング店を33店舗展開している「さかえドライ」では、今回の法律の施行を受けてハンガーの回収や再利用を強化していくことにしています。

また、削減の対象になっている衣類カバーについては、これまでよりも薄い資材に切り替えることで、プラスチックの使用量を減らしていくことにしています。

さかえドライは、「お客様には迷惑をかけず、協力いただくという形でプラスチックの削減につなげていきたい」と話していました。

【不妊治療に対する公的保険の適用範囲拡大】
これまで、保険適用の対象は、不妊の原因を調べる検査や、検査の結果、不妊の原因となる症状が見つかった場合の一部の治療などに限られていました。

4月からは、精子を妊娠しやすい時期に子宮内に注入する「人工授精」や、精子と卵子を採取し受精させたあと体内に戻す「体外受精」、それに注射針などを使って卵子に精子を注入する「顕微授精」などが新たに保険の適用対象となりました。

このうち、「体外受精」や「顕微授精」などは治療を始める時点で女性の年齢が43歳未満であることが条件で年齢に応じて、保険が適用できる回数が制限されています。

一方で、あらかじめ受精卵の染色体に異常がないかを調べる、「着床前検査」は対象とならないということです。

【値上げや制度変更などに対する県民の反応は】
1日から食料品の値上げやさまざまな制度が変更されることについて、街の人たちに聞きました。
30代の女性は「子どもがいて食費もかかるので、身近な食料品などが値上がりすると家計に響きます」と話していました。
また、60代の男性は「この年になると所得が増えることもないですがよく食べに行くうどん屋さんで値上げという話も聞くので、小遣いにも影響します」と話していました。
一方、別の60代の男性は「年金が0.4%下がるということですが、下げるのをやめれば助かる人も多いのではないかと思います」と話していました。