西伊豆町の特養施設 集団食中毒で2人死亡 「O157」検出

静岡県は、西伊豆町の特別養護老人ホームで利用者と職員あわせて33人が腹痛や下痢などの症状を訴え、15日までに2人が死亡したと発表しました。
患者の便からは腸管出血性大腸菌O157が検出され、県は施設で出された給食が原因の集団食中毒と断定し、調理を担当していた業者に当分の間、施設での営業禁止を命じました。

静岡県によりますと、11月6日の朝から、西伊豆町にある特別養護老人ホーム「ヒューマンヴィラ伊豆」の利用者と職員のあわせて男女33人が腹痛や下痢、血便などの症状を相次いで訴えたということです。
患者の内訳は、69歳から103歳までの利用者の29人と45歳から63歳までの職員の4人です。
このうちいずれも西伊豆町在住で入所者の76歳の女性が今月11日に、81歳の男性が15日にそれぞれ死亡したほか、現在8人が入院しているということです。
また、亡くなった2人の死因は特定されていないということです。
保健所が調べたところ、全員が11月3日に施設で昼食としてサラダや果物などの給食を食べたとみられ、検査の結果、10人の患者の便から腸管出血性大腸菌O157が検出されたということです。
県は施設で出された給食が原因の集団食中毒と断定し、調理を担当していた「日本ゼネラルフード」にきのうから当分の間、施設での営業禁止を命じました。
会見で静岡県感染症対策課の塩津慎一課長は「特に高齢の人は容体が急変することが多く、入院している人の症状が悪化することもあるため、県として状況を注視していきたい」と話していました。

《特養施設長 “全力をあげて対応を”》
特別養護老人ホーム「ヒューマンヴィラ伊豆」の佐藤友康施設長が15日夜、取材に応じ、「症状を重くされ施設内や医療機関で治療し職員一同で介抱したがお亡くなりになりました。施設では、大変重く受け止めています。約20人が施設内で治療し、複数の方がまだ症状を訴えています。1日も早い回復に向けて全力をあげて対応をおこなっていきます」と話していました。

《調理の委託先 “社内の衛生管理を徹底していく”》
この施設から調理の委託を受けていた名古屋市に本社のある「日本ゼネラルフード」は、「今回、2名の方が亡くなられ重く受け止めています。誠心誠意おわびを申し上げます。今後は、社内の衛生管理を徹底してまいります」とコメントしています。