オスプレイの佐賀空港配備 住民説明会で騒音影響など懸念の声

陸上自衛隊の輸送機「オスプレイ」の佐賀空港への配備計画をめぐって、空港周辺の住民を対象にした説明会が佐賀市で開かれ、参加者からは騒音などの影響を懸念する声が相次ぎました。

説明会は、空港周辺の住民からの要望を受けて、九州防衛局が佐賀市の川副中学校で開き、住民などおよそ300人が参加しました。

まず、九州防衛局の担当者が、佐賀空港の隣に整備する駐屯地に配備される部隊について、オスプレイ17機のほか、吉野ヶ里町の目達原駐屯地からヘリコプターおよそ50機が移転し、700人から800人の規模になると説明しました。

続く質疑応答では、参加者から、騒音や有明海の漁業への影響を懸念する声が相次ぎました。

防衛局側は、自衛隊機の離着陸は1日あたり最大で60回程度だとした上で、飛行ルートは住宅地の上空を避けること、駐屯地からの排水は、のりの養殖や漁業に影響を与えないよう処理を行うことなどを説明し、理解を求めました。

防衛省は、駐屯地の建設予定地で地権者との用地買収の交渉を今後、本格化させることにしています。

説明会のあと、九州防衛局の伊藤哲也局長は「騒音や安全などのさまざまな意見を踏まえて計画を進めるとともに、今後も丁寧な説明に努めていきたい」と話していました。

また、用地買収の交渉については「地権者の多くがのり漁に関わっているので、それが終わる時期を待ちたい」と述べ、のりの養殖が一段落する春先以降になる見通しを明らかにしました。

説明会に参加した60代の女性は「突っ込んだ説明がなく、オスプレイが来ることありきの説明会になっている」と話していました。

70代の男性は「要望に応じて説明会を開いてもらえたのは有意義だった。まだ消化不良な部分もあるので、県や防衛局には引き続き説明の機会を設けてほしい」と話していました。

別の70代の男性は「私はオスプレイが来るのもやむをえないと思いますが、説明会は反対する住民と防衛局がお互いに言い分をぶつけるだけで平行線だと感じる。防衛省にはこちらが納得する資料を用意してほしい」と話していました。