「古代山陽道」施設か 矢掛町遺跡から1000年以上前の木材

矢掛町の遺跡から、1000年以上前の木製の建築部材3点が見つかりました。
町の教育委員会は「古代山陽道」沿いにあった国の施設の一部とみて、調査を続けることにしています。

奈良時代から平安時代はじめのものと見られる木製の建築部材が出土したのは、矢掛町浅海にある毎戸遺跡です。
この場所は畿内から九州に延びていた「古代山陽道」が通り、遺跡について町の教育委員会は「駅家」と呼ばれる国の施設の跡ではないかとみて、その範囲を確認するため、去年4か所で発掘調査を行いました。
このうちの1か所から、縦横およそ40センチ、厚さ25センチで「斗」と呼ばれる1点と、幅およそ20センチの角材2点が見つかりました。
教育委員会によりますと、いずれも木製の建築部材で、屋根の「はり」を支えていた骨組みの一部とみられるということです。
また地下水と泥に閉じ込められていたため腐らず残り、その大きさなどから建物は豪華だった可能性が高いということです。
矢掛町教育委員会の西野望さんは「毎戸遺跡は『宿場町矢掛』のルーツといえるもので、地域の歴史を明らかにするためにも、今後も慎重に調査を進めていきたい」と話しています。