平群町メガソーラー建設計画 住民団体“県が認めれば訴訟も”

平群町で建設が予定されている大規模太陽光発電所、メガソーラーについて、住民団体は2日、奈良市で記者会見を開きました。
現在の業者の計画だと大雨が降った場合、発電所に付随して整備される貯水池があふれ、下流に土砂災害を引き起こすおそれがあるなどとして、県が計画を認めた場合、取り消しを求めて行政訴訟を行う方針を明らかにしました。

平群町では、東京の業者が山林を切り開き、およそ5万3000枚のソーラーパネルを設置する大規模太陽光発電所の建設を計画していますが、県は設計内容に誤りがあったとしておととし6月から工事を停止させています。
業者が改めて提出した計画は、去年、県の審議会などで了承されましたが、計画に反対する住民団体は、この計画に盛り込まれている発電所に付随して整備される貯水池の容量では、50年の1度の大雨が降った場合、水があふれて下流に土砂災害を引き起こすおそれがあるなどとして、県に再審査も含めて、慎重に審査するよう先月、申し入れました。
住民団体は2日、奈良市で記者会見を開き、▼県の担当課から「業者が行った計算では、池の安全性は確認されている」などと説明を受けたことや▼林野庁にも、業者の計画に問題がないか、確認をとったことなどを明らかにしたうえで、県がこのまま計画を認めた場合は、認可の取り消しを求めて行政訴訟を行う方針を明らかにしました。
会見に同席した防災学が専門の京都大学の奥西一夫名誉教授は「基準を守れば必ず安全とも言えないが、少なくとも基準はしっかり守りましょうというのが安全の基本的な考え方だ。県には、間違えていても無理やり押し通そうという姿勢が見え理解に苦しむ」と話しています。