十津川村の「大踊」など 風流踊がユネスコ無形文化遺産に
十津川村の「大踊」など、各地で伝承されてきたお囃子にあわせて踊る民俗芸能の「風流踊」が、ユネスコの無形文化遺産に登録されることが決まりました。
これは、11月30日、モロッコで開かれたユネスコの政府間委員会で、決まったものです。
「風流踊」は、2009年にユネスコの無形文化遺産に登録された神奈川県の伝統行事「チャッキラコ」に、十津川村の「大踊」など、24都府県に伝わる40件の民俗芸能を加えた、あわせて41件で構成されています。
このうち、「十津川の大踊」は十津川村内の小原、武蔵、西川の3つの地域に伝わる民俗芸能で8月のお盆に、浴衣姿の人たちが色とりどりの房をつけたバチで太鼓を叩いたり、灯ろうを下げた笹竹や扇を持ったりしながら踊るというものです。
ユネスコの無形文化遺産に奈良県から登録されるのは、奈良市上深川町の民俗芸能「題目立」に次いで2番目になります。
【県内の反応は】
十津川の大踊がユネスコの無形文化遺産に登録されることについて、「大踊」の3つの地域の保存会は連名で「十津川村もほかの地域同様に人口減少、生活様式の変化による人手不足、新型コロナウイルスの流行により活動の制限、行事の自粛が続き、大踊保存継承のハードルがこれまで以上に高くなってしまいました。今回の登録がそんな苦境を払拭し、次の世代へとつなぐ活力になることを大いに期待します」とコメントしています。
十津川村の小山手修造村長は「今後、世界的に『十津川の大踊』を含めた「風流踊」の認知度が高まり、地域間の交流が促進され、関係人口の拡大と、地域活性化につながることに、大きな期待を抱いています」とコメントしています。
奈良県の荒井知事は「十津川の大踊が我が国を代表する民俗芸能として選ばれたことを誇りに思います。担い手不足により衰退・消滅の危機に瀕している民俗芸能がある中で踊りを受け継ぎ守ってきた十津川村の皆さんの努力に心から敬意を表します。今後も次世代に確実に伝承されていくことを期待しています」とコメントしています。