奈良市 県推進の水道事業一体化構想を検討する懇談会 設立

奈良県が推進する水道事業一体化構想をめぐり、奈良市は、20日、学識経験者などから意見を募るための懇談会を行いました。

県内のそれぞれの自治体が運営している水道事業を一体化する構想をめぐって、奈良市は、県が示している現在の試算では、投資額が膨大で、水道料金の価格の見通しも高すぎるなどとして、構想への参加に慎重な姿勢を示しています。
一方、構想を推進する県の荒井知事は、参加を前向きに検討するよう呼びかけています。
こうしたなか、奈良市は、構想について学識経験者などから意見を募るための懇談会を設立し、1回目の20日は、学識経験者や市議会議員など10人余りが参加しました。
まず、西谷副市長が、「市民の重要なライフラインを維持するためには、経営の安定が必須だ。一体化による効果について、広く意見を募りたい」とあいさつしました。
続いて、市の担当者が県が示す構想では、将来、支出を抑えられると試算しているが、根拠となるデータが提供されず、料金設定が不透明であるとの見方を示しました。
このあと、懇談会では、構想を独自に分析して、市にメリットがあるかどうかなど、慎重に検討していく方針を確認しました。
懇談会は、6月以降、毎月開催され、ことし8月までに意見をまとめることにしています。

【これまでの経緯】
現在、県内の各自治体が運営している水道事業をめぐっては、今後、財政の悪化が懸念されることなどから、県は、令和7年度に、奈良市など27の市町村と経営を一体化して事業を開始する構想を掲げています。
県は、水道事業を一体化した場合、老朽化した施設の統廃合による経費の節減などによって、将来、発生する支出などを抑えることができ、総額686億円分のプラスの価値が見込めるとする試算を示しています。
県は、27の市町村と覚書を締結したうえで、去年8月に協議会を設立し、各自治体の負担割合や水道料金の設定方法などの検討を継続しています。
こうしたなか、奈良市は、県が示している現在の試算では、投資額が膨大で、水道料金の価格の見通しも高すぎるなどとして、ことし1月から構想への参加に慎重な姿勢を示しています。
これに対し、県は、水道設備の老朽化に対応するためにも試算は妥当なものだとしたうえで、奈良市に構想への参加を前向きに検討するよう呼びかけています。
ただ、県は、奈良市が不参加でも一体化を進めることにしています。
奈良市は、今後、学識経験者や市議会議員などからなる懇談会での協議などを通じて、構想へ参加するかどうか、慎重に検討することにしています。