長野県の特産品のアンテナショップが12月にパリにオープンへ

おやきや寒天といった県内の郷土料理や工芸品などを展示・販売するアンテナショップが、再来月、フランスのパリにオープンすることになりました。
狙いは、県内の特産品の海外での販路拡大です。

これは、特産品の海外での販路拡大を目指すため県内の企業や自治体などが、設立した「長野欧州貿易支援機構」が、24日開いた総会で決めたものです。
アンテナショップは、ことし12月24日、フランスのパリで開業し、おやきや寒天、それに、みそといった県内の食品や工芸品などを生産している10社余りの商品を展示・販売するとしています。
商品を販売する企業は、出展費用などとして少なくとも月におよそ30万円を支払う必要がありますが、単独での進出よりも初期投資を抑えられるほか、販売員を通じて現地の顧客の反応などを月に1回、受け取ることができるということです。
来年、フランスでは、パリオリンピックの開催が予定されていて、世界各国から大勢の人が訪れるとみられるため県内の郷土料理や工芸品の売り込みを強め、信州ブランドの発信力を強化したいとしています。
「長野欧州貿易支援機構」の笹沢幸司代表理事は「パリで評価されれば商品価値そのものが上がる。信州のいいものを売り込んでいきたい」と話していました。

アンテナショップに出展する予定の企業からは期待の声が出ています。
郷土料理のおやきを製造・販売している長野市の老舗の会社です。
この会社は、去年8月、ネット通販での売れ行きが好調なことや海外での販路拡大を見据えて、およそ13億円をかけて長野市内に新たな製造工場を設けました。
この投資に伴って、おやきの生産体制は、これまでの300万個からおよそ2倍に上る600万個となりました。
しかし、この会社は、ヨーロッパに進出したことはありません。
このため、アンテナショップでの展示・販売に向けて、輸送コストを踏まえて商品の価格をどう設定するかなどについて「長野欧州貿易支援機構」からアドバイスを受けながら準備を整えています。
この会社では、今後、パリでの顧客の反応を確かめながら将来的には、海外での売り上げを年間1億円以上にしたいと考えています。
「いろは堂」の伊藤拓宗社長は「おやきはヘルシーで持ち歩きができるのでパリでの昼食のニーズはあると感じている。常設で商品を販売できるので現地の市場を知る上で非常にありがたい」と話していました。