大震災の被害や復興に取り組む人たちを記録した写真展 大槌町

東日本大震災から12年となるのを前に、大槌町で当時の被害や復興に取り組む人たちを記録した写真展が開かれています。

この写真展は、東日本大震災の記憶を後世に伝えようと、大槌町の遺族らが中心になって企画し、会場には住民らが撮影したおよそ800点の写真が展示されています。

このうち、震災の翌日に大槌町の中心部の信号機を撮影した写真は、震災後に町に燃え広がった火事によって信号機が溶けている様子がおさめられています。

また震災前と、震災直後、そして震災の6年後に町の本町商店街を定点で撮影した写真からは、震災によって町が受けた甚大な被害と復興への道のりがうかがえます。

会場を訪れた71歳の女性は「津波で夫を亡くして以降、震災の写真は、つらい思いがよみがえるので、みたくありませんでした。きょうは震災前の写真をみて、当時、町をよく歩いていた思い出を思いだし、とても懐かしかったです」と話していました。

写真展を企画したアマチュア写真家の伊藤陽子さんは「震災の記憶がない若い世代に見てもらいたいです。会場には町のハザードマップも置いているので、多くの方に足を運んでもらい、減災につながってほしいです」と話していました。

この写真展は、大槌町の「シーサイドタウンマスト」で今月15日まで開かれています。