リヤカーを組み立て高齢者を高台に避難させる訓練 大槌町
大槌町の安渡地区で5日、大津波を想定した避難訓練が行われ、高齢者をリヤカーに乗せ、高台に避難させる手順などを確認しました。
大槌町の安渡地区は東日本大震災で住民のおよそ1割にあたる218人が犠牲になり、この教訓から災害時には高齢者などをリヤカーに乗せて高台に避難させる取り組みを進めています。
5日は大地震で大津波警報が出たという想定で避難訓練が行われ、住民が海の近くの空き地に集まりました。
そして、折りたたみ式のリヤカーを1分ほどで組み立てると、お年寄りを乗せ、歩いて5分ほどの高台にある公民館に避難していました。
リヤカーに乗った80歳の女性は「乗り心地は悪くなかったです。まだまだ元気ですが、何かあった時のための備えをしてもらえるのはありがたいです」と話していました。
参加した高校生は「リヤカーは構造が単純で簡単に組み立てられました。少しでも災害の状況に近いような訓練ができてよかったと思います」と話していました。
安渡地区の佐々木慶一町内会長は「震災からまもなく12年で記憶の風化が懸念されていますが、震災を経験した私たちが、当時、何が必要だったのか記憶にとどめ、経験していない人にも訓練などを通じて伝えていきたいです」と話していました。