二戸市の天台寺の「勧進帳」県の文化財指定へ
二戸市の天台寺について書かれた16世紀の「勧進帳」が、今に伝わる天台寺の由緒が中世から確認できる点で価値があるとして、県の有形文化財に指定されることになりました。
県の有形文化財に指定されるのは、「紙本墨書 天台寺本堂再興勧進帳」です。
国の重要文化財で、二戸市にある天台寺の「本堂」と「仁王門」は、2013年から2019年まで大規模な修復工事が行われましたが、その際に発見されていました。
二戸市によりますと、天正5年・1577年に榮澄という僧侶が書いたもので、天台寺の本堂の修理と、そのための寄付を募ることを願う内容が記されています。
勧進帳には、天台寺の由緒について聖武天皇の勅願を受け、奈良時代の僧、行基が開いたとする記述があり、これまでに知られていたものと同様の内容が、中世の資料から確認できる点で価値があるということです。
また、当時の本堂は、正平2年・1347年に再興されたとする記述もあり、現在の本堂が建てられた近世以前の状況を伝える点でも貴重だということです。
天台寺の菅野宏紹住職は「大変喜ばしいことです。中世の天台寺の姿の解明が進むことを期待します」とコメントしています。