疫病の退散を願う伝統の「白木野人形送り」西和賀町

新型コロナウイルスへの感染が続くなか、西和賀町では疫病の退散を願って稲わらでできた人形をかついで地域を練り歩く伝統の「白木野人形送り」が行われました。

「白木野人形送り」は、西和賀町の白木野地区で江戸時代に疫病が流行したのをきっかけに始まったと伝えられています。

19日は地元の公民館に14人が集まり、去年秋に刈り取った稲わらを束ねて人形の顔や手足などを作りました。

およそ2時間ほどで左右に大きく手を広げ疫病をにらみつけるような顔を描いた紙を着けた大きさ1メートル余りの人形ができあがりました。

地元の言い伝えでは、この人形に疫病を背負わせて集落の外に送り出すことで、疫病が入ってくるのを防ぐとされています。

一行は、ほら貝を吹きながら人形を肩にかついでおよそ1キロメートルを練り歩き、集落の外にあるクリの木に人形をくくりつけて、新型コロナの収束とことし1年の無病息災を祈っていました。

白木野人形送りに参加した人は「今の時代にぴったりな行事で、新型コロナが落ち着きマスクを外せる生活に戻れることを祈っています」と話していました。

また秋田県横手市から訪れた人は「秋田県にも夏場に行われるワラ人形の行事があるが冬の人形送りは初めて見た。これで何とかコロナが去ってくれるとありがたい」と話していました。