特殊詐欺被害防止でコンビニ・オーナーに感謝状 遠野市
高額の電子ギフト券を購入しようとしていた女性客に声をかけ、特殊詐欺の被害を防いだとして、遠野市にあるコンビニエンスストアのオーナーに12日、警察から感謝状が贈られました。
感謝状が贈られたのは、ローソン遠野綾織町店のオーナー、大久保明弘さんです。
大久保さんは先月下旬、60代の女性客が合わせて30万円分の電子ギフト券を購入しようとレジを訪れた際に特殊詐欺を疑い、購入理由を聞きました。
女性は「パソコンの操作中に、『ウイルスに感染した』というメッセージと表示され、指定された電話番号に電話をかけるとセキュリティ強化のため電子ギフト券を買うよう指示された」と話しということです。
大久保さんは、だまされた人たちにコンビニなどで高額の電子マネーを購入させる架空料金請求詐欺の可能性が高いと判断して女性客に購入をやめるように説得し、警察にも通報して被害を未然に防いだということです。
大久保さんは「年末だったので、お年玉代わりかなとも思いましたが、非常に高額だったので思い切って声をかけました。被害を未然に防ぐことができてよかったしこれからも従業員全員で積極的に声かけをするように取り組んでいきたい」と話していました。
県内の去年1年間の特殊詐欺の被害は37件、1億82万円に上っていてこのうち、架空料金請求詐欺は9件、6022万円の被害が出ています。
遠野警察署の足利信弘署長は「自分は被害に遭わないと思っている人も多いが、そこに落とし穴だ。不安なことがあればすぐに周りの人や警察に相談してほしい」と話していました。
岩手県内では去年1年間に特殊詐欺が37件発生し、被害額は1億円を超えました。
岩手県警察本部によりますと、去年1年間に県内で確認された特殊詐欺は37件で前の年に比べて6件増えました。
被害額は1億82万円に上り、前の年に比べて800万円余り増加しました。
警察が特殊詐欺としている10種類のうち、最も被害額が多かったのは未払いの料金があるなどの名目で支払いを求める架空料金請求詐欺の9件で6022万円でした。
また、最も件数が多かったのは、医療費や保険料などの過払い金を受け取れるなどとうその電話をかけるなどしてATMに誘導し現金を振り込ませる還付金詐欺で14件でした。
還付金詐欺はおととしは発生が1件でしたが、去年大幅に増加し、被害額はおよそ1810万円に上っています。
警察は、特殊詐欺の被害を防ぐために、電話でお金の話が出たら詐欺を疑って家族などに相談し留守番電話やナンバーディスプレイの設定をするなどして相手を確認してから電話にでるよう注意を呼びかけています。