台風被害の日向市の浄水場 復旧に協力 地元企業に感謝状 

去年の台風14号で工業団地に水を送る日向市の浄水場が水につかり、およそ3日間、給水の制限を余儀なくされました。
給水停止という最悪の事態もあり得ましたが、地元の企業3社がポンプの修理などに奔走したことで回避できたとして、県から感謝状が贈られました。

浄水場の復旧に協力したのは日向市や延岡市にある電気設備業や建設業などの3つの企業で、今月24日、代表者たちが県庁に招かれ、県企業局の井手義哉局長から感謝状を手渡されました。

県によりますと、去年9月の台風14号では、日向市東郷町にある企業局の浄水場が近くを流れる耳川の氾濫で水につかりました。

ポンプ室を含む1階部分がすべて浸水したため、水を送り出せなくなったということです。

この浄水場は同じ日向市にある細島工業団地に工業用水を供給していますが、最大で75%もの給水制限を余儀なくされました。

団地には精錬所など15の企業があり、給水制限の影響で生産ラインを一部停止するなどの対応を迫られたということです。

給水を完全に停止するという最悪の事態もありえたものの、3つの企業が電気設備の復旧やポンプの修理、それに取水口にたまった流木の撤去などに協力した結果、およそ82時間後に復旧し、通常どおり給水できるようになりました。

企業局の井手義哉局長は「休日夜間を問わず迅速かつ的確に対応していただいた。給水停止という最悪の事態を避けられたのは現場で懸命に復旧作業に尽力してくれたたまものだ」と述べ、感謝を伝えました。

3社のうちの1つ、倉本鐵工の倉本重利社長は「災害は忘れたころにやってくるので、いつでも対応できるように取り組んでいる。こうした仕事をする人が少なくなっているので、若い担い手が増えるとうれしい」と話していました。