エサ代の削減へ 和牛農家で「放牧」の動き進む 日之影町
ウクライナ情勢などの影響で飼料の高騰が続くなか、畜産農家は、経営の工夫が問われています。
日之影町の繁殖農家では、エサ代を少しでも削減しようと、小規模で牛の放牧を行う準備を進めています。
放牧の準備を進めているのは、日之影町七折の繁殖農家で、母牛20頭を飼う甲斐耕一郎さん(57)です。
1日、県や町の畜産担当者が農場を訪れ、牛舎のすぐ横の放牧予定の場所に電気柵を設置する作業が行われました。
作業では、20アールほどの予定地を取り囲むように、ポールを2メートル間隔で地面に刺したあと、牛の鼻先にあたる高さに電流を通すひもを固定していきました。
甲斐さんは今後、数頭ずつ牛を電気柵になれさせて放牧地で過ごす時間を増やし、エサ代の削減につなげたいと考えています。
ウクライナ情勢などの影響で輸入に頼る飼料の高騰が続き、畜産農家の経営の工夫が問われているなか、国は放牧を推進していて、県によりますと、県内でも少しずつ放牧で育てる牛の頭数が増えているということです。
甲斐さんは「初めてなので、うまくいくか分かりませんが、徐々に牛をなれさせて、山林や草原に空きがあれば、今後はさらに放牧地を増やしていきたい。ゆったり草をたべながら、ストレスのない牛になってくれればと思います」と話していました。