警察官と児童相談所職員が虐待から子ども保護する訓練 茨城町
児童虐待の相談が増えているなか、警察官と児童相談所の職員が合同で、虐待から子どもたちを保護する訓練を行いました。
この訓練は、茨城町の県警察学校にある訓練用の住宅で1日行われ、警察官や児童相談所の職員などおよそ60人が参加しました。
このうち、虐待を受けている疑いがある3歳の女の子を保護する想定で行われた訓練では、母親役の警察官が児童相談所の職員や警察官を家に入れるのを拒む様子を見せました。
このため職員たちは裁判所で捜索の許可状を得ているなどの説明をしたあと、ドアチェーンを切断して強制的に家に入りました。
その後、たんすの中を見られるのを嫌がっている母親を説得して、たんすを開けると警察官がふんした子どもが見つかりました。
母親はなおも抵抗を続けましたが、警察官が制止して家の外に子どもを出して保護していました。
県によりますと、県内の児童相談所によせられる児童虐待についての相談件数は年々増加傾向で、昨年度は3743件に上り2013年度以降で最も多かったということです。
茨城県青少年家庭課の今泉達夫課長は、「子どもの命と健康を守るため、今後も対応を磨いていきたい。匿名の通報も可能なので、皆さんも何か気付いたことがあれば、迷いなく児童相談所に通報してほしいです」と話していました。
また、県警察本部の村田ゆかり生活安全部長は、「児童相談所の対応が円滑にでき、相手の妨害や抵抗を止めて子どもを保護できるよう連携していきたい」と話していました。
虐待を受けている疑いの11歳の女の子を保護する想定の訓練も行われました。
家を訪れた児童相談所の職員が母親役の警察官に、「子どもを確認するために、家に入れてほしい。正当な理由なく、断ると罰則がある」などと説明し、警察官とともに家に入りました。
家の中では、父親役の警察官が「何で勝手に入ってきているんだ、帰れ」など大声をあげる様子を見せたため職員と警察官は落ち着かせるため話しかけ、そのあいだに、別の職員が押し入れにいた警察官がふんした女の子を見つけて、無事保護し、けがはないか呼びかけていました。