息子をバールで殴打 笠置町前町長ら猶予付き判決 岡山地裁

去年(令和4年)、岡山県美作市の住宅で、息子の頭をバールで殴り大けがをさせたとして、殺人未遂の罪に問われた京都府笠置町の前の町長に、岡山地方裁判所は執行猶予をつけた有罪判決を言い渡しました。

京都府笠置町の前町長、西村典夫被告(73)は、去年6月、妻の西村信代被告(66)と当時39歳の長男が同居していた美作市の住宅で、寝ていた長男の頭をバールで数回殴りつけ、骨を折るなどの大けがを負わせたとして、ともに殺人未遂の罪に問われました。
26日の判決で、岡山地方裁判所の倉成章 裁判長は、「被告2人は精神的に不調をきたした長男から長年にわたり暴言や暴力を受け、要求に応じて何度も転居させるなど身体的にも精神的にも大きな負担を強いられた」などと指摘しました。
そのうえで、「2人は周囲に相談するなどほかにとることのできる手段はあったとみられ、短絡的な面は否定できないが、被害者の言動により追い詰められた末、犯行に至った経緯には同情の余地がある。被害者が許していると証言し、反省している」などと述べて、2人にいずれも執行猶予4年をつけて、▼典夫被告に懲役3年、▼信代被告に懲役2年6か月の有罪判決を言い渡しました。