人吉市いじめ調査委 元中学校生徒の問題で学校の対応など答申
3年前に人吉市の中学校を卒業した元生徒が、在籍中にいじめを受けたとして長期にわたり学校を欠席し、第三者でつくる市の調査委員会は8日、これまでの経緯や学校の対応などについての報告書をまとめ、市長に答申しました。
人吉市の教育委員会によりますと、この中学校では、元生徒が1年生だった平成29年から、複数の生徒に足を蹴られるなどのいじめを受けていたということです。
元生徒は3年生の2学期以降、いじめが原因と思われる欠席が30日を超え、市の教育委員会は令和元年にいじめ防止対策推進法の「重大事態」に認定しました。
その後、市の教育委員会は調査を行い、元生徒の保護者に報告しましたが、保護者は「調査が不十分」として、再調査を求める意見書を市に提出していました。
このため、人吉市は弁護士など4人の第三者による調査委員会をおととし設置して、再度、関係者などから聞き取りを行い、8日、報告書をまとめて市長に答申しました。
報告書ではいじめの経緯や学校の対応などについて記されているほか、教育委員会の調査を踏まえて「今後、調査委員会などが実質的に機能し、被害者救済などにつながるようにするため、委員会の人選などに関して、常日頃から検討しておく必要があると考える」などと記されています。
いじめを受けた元生徒の保護者の代理人の阿部広美弁護士は「前回の報告書に比べると詳細な検討が行われているが、いじめに至った経緯や学校の対応など、もう少し深く調査していただけたらと思う」と述べました。