風流踊の一つ「無生野の大念仏」3年ぶり披露 上野原市

ユネスコの無形文化遺産への登録が決まった日本の民俗芸能「風流踊」の一つで上野原市に伝わる「無生野の大念仏」が5日夜、3年ぶりに披露されました。

上野原市秋山地区に伝わる「無生野の大念仏」は、鎌倉時代の伝説にちなんで始まったといわれる踊りで無病息災などを祈願します。
去年11月、各地で伝承されてきた民俗芸能「風流踊」の一つとしてユネスコの無形文化遺産への登録が決まりました。
踊りの公開は新型コロナの影響で中止が続いていましたが、5日夜、市内の集会所で3年ぶりに行われ、練習を続けてきた保存会の10人余りが大念仏を披露しました。
白装束をまとった演者たちははじめにお経を唱えたあと、鳴り物の独特なリズムにあわせて太刀を振りかざすなどにぎやかに踊り回りました。
その後行われた「ぶっぱらい」と呼ばれる祈とうでは、病人にふんして寝込んでいる人の上を青竹の棒などを持った演者が次々と飛び越え、最後にはふとんをはねのけて病魔を退散させていました。
3年ぶりの大念仏はおよそ1時間行われ、集まった人たちは久しぶりに披露された伝統の踊りにじっくり見入っていました。
無生野大念仏保存会の原田住治会長は「3年ぶりに大念仏ができて安心した。昔から伝わる大切な伝統を今後も守っていきたい」と話していました。