室戸 ウミガメに発信器を取り付け海に帰す 生態の解明目指す

高知県室戸市の沖合で定置網にかかったウミガメが産卵前の個体であることがわかり、生態の解明につなげようと、ウミガメを保護した地元の水族館などは甲羅に発信器をつけて海に帰しました。

このウミガメは、今月12日に高知県室戸市の沖合で定置網にかかった甲羅の長さが82センチ、体重が85.5キロのメスのアカウミガメです。

保護した「むろと廃校水族館」が調べたところ、このウミガメにはタグがあり、2014年7月に和歌山県みなべ町の浜で産卵し、海に帰された個体でした。

さらに調べたところ、このウミガメは卵を持った産卵前の状態で、生態の解明につなげようと、水族館などは人工衛星で位置を追跡する発信器を甲羅につけて海に帰すことにしました。

26日は水族館で発信器の取り付け作業が行われ、日本ウミガメ協議会の松沢慶将会長が汚れを取り除いたあとの甲羅に発信器を取り付けました。

松沢さんによりますと、室戸市の沖合は数多くのウミガメが通過するポイントで、卵を持った産卵前の個体に発信器を取り付けるのは2例目だということです。

このあと、ウミガメは近くの海岸に運ばれ、元気に海に帰って行きました。

むろと廃校水族館の若月元樹館長は「今回のウミガメがどこで産卵するのか、高い関心を持っている。ちょうど産卵シーズンなので温かく産卵地を見守っていただきたい」と話していました。