「とさでん交通」厳しい経営 公共交通の抜本的検討へ 高知市

高知市などで路面電車や路線バスを運行するが新型コロナの影響などで厳しい経営が続いていることを受けて、高知市の岡崎市長は市内の公共交通の存続に向けて抜本的な検討を進める考えを示しました。

高知市などが出資する「とさでん交通」は、人口減少や新型コロナの感染拡大、それに燃料費の高騰などの影響で一昨年度まで3年連続で赤字となるなど厳しい経営が続いています。

これを受けて高知市では、乗り合いタクシーを活用して市内を走る路線バスの再編を進めるとともに、昨年度から検討会を設置し、持続可能な公共交通のあり方について検討を急いでいます。

22日に開かれた高知市の定例市議会で、岡崎市長は「とさでん交通」の経営状況をめぐって「公共交通部門の赤字は国や県、高知市の補助金に加え、他の事業部門の黒字で補填されてきたが、こうした状況が今後とも継続していくのは厳しいと認識している」と述べました。

そのうえで「真に持続可能な交通ネットワークのあり方や、費用負担について関係機関と協議していく」と述べ、市内の公共交通について抜本的な検討を進める考えを示しました。

高知市は来月に開かれる公共交通のあり方検討会の報告を踏まえて、国や県、それに交通事業者と今後の具体的な政策について協議する方針です。