土佐くろしお鉄道脱線事故 運輸安全委員会の調査官が現場調査

2日、高知県黒潮町で土佐くろしお鉄道の普通列車が大雨の影響で崩れた土砂に乗り上げて脱線した事故を受けて、3日、国の運輸安全委員会の調査官が現場の状況を調べました。

この事故は、2日午前9時ごろ、黒潮町にある土佐くろしお鉄道の有井川駅と土佐白浜駅の間で、中村・宿毛線の上りの普通列車が大雨の影響で崩れた土砂に乗り上げて脱線したものです。

この列車は1両編成で、四万十市の中村駅を出発し四万十町の窪川駅に向かっていましたが、当時、乗客は乗っておらず、乗っていた乗務員と添乗係員にもけがはありませんでした。

この事故を受けて、国の運輸安全委員会の鉄道事故調査官2人が3日午後1時半すぎから現場の状況を調べました。

現場は海岸沿いの斜面を通る線路で、列車は崩れた土砂に乗り上げて前方の車輪が脱輪し、30メートルほど走行して停車したということです。

調査官は車両や周囲の状況を確認しながら、土佐くろしお鉄道の担当者から当時の状況を聞き取っていました。

国土交通省運輸安全委員会の足立雅和調査官は「前輪が脱線した影響で、車両の床下付近に損傷が複数あったほか、列車の走行に支障が出る量の土砂の流入がみられた。あらゆる可能性を調査して再発防止策を提示していきたい」と話していました。

この影響で、土佐くろしお鉄道の中村・宿毛線は、中村駅と窪川駅の間で当面運休することを決めています。