強制収容所で死亡男性の手がかり求め日系3世の女性志賀町に
太平洋戦争中にアメリカの強制収容所で殺害された日系人の男性についての手がかりを得るため、アメリカ在住の日系3世の女性が志賀町を訪れていて、20日は、町の担当者とともに男性の出身地の可能性がある町内の地区を回りました。
アメリカ在住で、日系3世のナンシー・ウカイさんは、戦前に日本からアメリカに移り住んだ人たちが歩んだ苦難について調べる活動を続けています。
調査を続ける中で、太平洋戦争中の1943年4月、「敵性外国人」として強制収容されていた施設で、犬の散歩をしていた最中、脱走を図ったと見なされて、銃で撃たれて亡くなった日系人のハツアキ・ジェームズ・ワカサさん(当時63)が、志賀町出身だったとみられることを知りました。
町役場で小泉町長と面会したナンシーさんたちは、担当者から、町内にかつて「若狭」と呼ばれ、現在も若狭姓の人が多く暮らす地区があり、ワカサさんの出身地である可能性が高いことを説明されました。
町の担当者とともにその地区を回り、地元の小学校では、ワカサさんのことを授業で学んで知っていた子どもたちから千羽鶴や色紙を受け取りました。
受け取った千羽鶴などは、4月11日、ワカサさんの命日に、アメリカで行われる追悼行事の会場に飾られるということです。
ウカイさんは「ワカサさんの人生を忘れないよう、平和のために皆が手をつないでいければうれしいです」と話していました。