志賀町で太平洋戦争中の日系人の歴史を伝える講演会

太平洋戦争中にアメリカの強制収容所で殺害された日系人について伝える講演会が、志賀町で開かれました。

アメリカ在住で日系3世のナンシー・ウカイさんは、戦前に日本からアメリカに移り住んだ人たちが歩んだ苦難について調べる活動を続けています。
調査を通じ、戦時中に「敵性外国人」として強制収容され、施設で殺害されたハツアキ・ジェームズ・ワカサさん(当時63)のことを知ったということで、歴史を伝えたいとワカサさんの出身地の志賀町で講演会を開きました。
このなかでウカイさんは、複数の家族が同じ部屋に押し込められていた収容所の劣悪な環境を解説したうえで、殺害されたワカサさんは、犬の散歩をしていたところを脱走を図ったと見なされて銃で撃たれたと説明しました。
そしてウカイさんは「日系人の歴史を共有し、人種間の差別や争いがなくなるようともに祈ってほしい」と呼びかけていました。
ワカサさんが殺害された収容所の跡地には、歴史を伝える博物館が建てられているということで、講演会のあと集まった人たちは、平和への思いを込めて博物館に送る紙の花を作っていました。
講演を聴いた女性は「このような事実を知り驚きました。ウクライナの戦争のことも思いながら、いつの時代も戦争は苦しみしか生まないと感じました」と話していました。