加賀市の巨大観音像 法律義務の「航空障害灯」点灯しない状態

加賀市にある高さ70メートル超える巨大な観音像で、航空機の飛行の安全のために高い建物に設置が義務づけられた照明灯が、点灯しない状態になっています。
国土交通省もこうした状況を把握していますが、観音像の法律上の責任者がわからなくなっていて、是正を求めることができていないとしています。

問題が明らかになったのは、JR加賀温泉駅そばの寺の敷地内にある、高さ73メートルの観音像です。
36年前の1987年、バブル経済のさなか、レジャー開発が進む中で建造されました。
航空法は、高さ60メートル以上ある建物について、周辺を飛行する航空機の安全のため、「航空障害灯」の設置と管理を義務づけていますが、国土交通省大阪航空局によりますと、少なくとも2012年3月以降、観音像の航空障害灯の点灯が確認できない状態が続いているということです。
大阪航空局はこの状況について、航空法違反にあたるとみていますが、周辺の土地や建物の売買が繰り返される中で、必要な書類が出されず、法的な責任者がわからなくなっていて、是正を求めることができていないとしています。
一方、不動産の登記簿などによると、この観音像は、去年2月に京都の不動産会社が周辺の土地とともに取得しています。
不動産会社の担当者はNHKの取材に対し、「取得した当時は航空障害灯はついていた」と話していて、「早急に原因を調査をする」と答えています。