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大雨から1週間 出雲日御碕地区で小中学生の登下校支援始まる

今月(7月)9日の大雨から16日で1週間になりました。
道路が崩落して孤立に近い状態が続く出雲市の日御碕地区の小中学生は、学校に通えなくなっていたことから、16日から登下校の支援が始まりました。

日御碕地区にはおよそ550人が住んでいるとみられますが、地区と市街地をつなぐ県道が崩落したことで生活に影響が出ています。
影響は地区に住むおよそ20人の小中学生にも及んでいて、出雲市によりますと、一部の子どもが学校に通えなくなっていることから、16日から市の教育委員会が登下校の支援を始めました。
午前7時すぎに崩落現場から地区側にある県道のバス停に親に連れられてきた子どもたちが集まり、出雲市教育委員会の担当者が引率して、山の中の道を10分ほど歩いて崩落現場をう回し、市街地側へ抜けました。
そこにはスクールバスが待機していて、小中学生たちはバスに乗り込んでそれぞれの学校へと向かっていきました。
市の教育委員会によりますと、バスを利用した小中学生17人は無事に学校へ到着し、下校の時も同様の対応がとられるということです。
子どもを途中まで送ってきた40代の母親は、「ずっと学校に行きたいと言っていたので、バスが運行されてとてもありがたい」と話していました。
この登下校の支援は、今週予定されている終業式の日まで続けられる予定です。

【日御碕地区では燃料の心配の声】
孤立状態になっている出雲市の日御碕地区では、ガソリンやプロパンガスについて心配する声が聞かれました。
地区に住む70代の女性は、道路が崩落したあと家族が携行缶にガソリンを入れてきたといいます。
市街地との往来が自由にできないなか、「こうした生活が長引くと大変です」と不安そうに話していました。
また、地区には業者が出入りできないことから、コンロなどに使うプロパンガスについても心配する声が聞かれました。
地区に住む錦織寿恵子さん(69)は、プロパンガスが補充されないことから、1日3食のうち、主に朝と晩の2食はカセットコンロで料理をしているということです。
錦織さんは、「道路の復旧がどうなるかわからないのでガスを節約しています」と話していました。
日御碕地区の宇龍区で副区長を務める飯塚哲弘さんは、「プロパンガスやガソリン、それに灯油が不足しているので、それらを求める住民からの要望が多いです。解消のためにも仮設の道路を作ってもらいたい」と話していました。

【日御碕地区で医療支援も開始】
道路が崩落した影響で孤立に近い状態になっている日御碕地区には、診療所が1つありますが、医師は常駐していません。
そこで、出雲市は、16日から市立総合医療センターの医師や看護師を派遣して診療を行っています。
診療は毎週火曜日の午後2時から4時までで、薬の処方が必要な人には、後日、地区内で受け取れるようにするということです。

07/16 17:40
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