浪江町・富岡町 一部の避難指示解除を政府が正式に決定
政府は、東京電力福島第一原子力発電所の事故による「帰還困難区域」の避難指示について、浪江町の一部を今月31日に、富岡町の一部を来月1日にそれぞれ解除することを正式に決めました。
福島県では12年前の原発事故により、いまも7つの市町村で「帰還困難区域」が残っていて、政府は、22日開いた原子力災害対策本部会議で、このうち浪江町の一部で今月31日に、富岡町の一部で来月1日にそれぞれ避難指示を解除することを正式に決めました。
これにより2つの町では、先行して除染作業を進めてきた「特定復興再生拠点区域」の全域で避難指示が解除されることになります。
また政府は、復興推進会議なども合同で開き、来月1日に福島県に設立する福島国際研究教育機構について、新年度から7年間で、ロボットや放射線科学、原子力災害など5つの分野、あわせて50程度まで研究グループを増やし、1000億円程度の事業費をかけて研究を進める計画などを報告しました。
松野官房長官は「岸田総理大臣も、事情が許せば来月1日の機構の開所式に出席し、避難指示が解除された地域を訪問する考えだ。『東北の復興なくして日本の再生なし』という強い決意のもと、閣僚全員が復興大臣であるとの意識で被災地の復興に取り組んでほしい」と述べました。
西村経済産業大臣は22日の閣議のあとの会見で、「この解除はゴールではなく、復興に向けた新たなスタートだ。安心して帰還できる環境整備を行い、引き続き復興に向けて全力を尽くしていきたい。私も諸般の事情が許せば、ちかぢか解除された地域を訪れることも考えている」と述べました。