三春町で2人はねられ殺害された事件 仙台高検が上告

3年前、福島県三春町の国道で、出所した2日後に、盗んだトラックで無関係の男女2人をわざとはねて殺害した罪に問われた53歳の被告の裁判で、仙台高等裁検察庁は、1審の死刑を取り消して無期懲役を言い渡した2審の判決を不服として2日までに最高裁判所に上告しました。

住所不定・無職の盛藤吉高被告(53)は、2020年5月、三春町の国道で盗んだトラックを無免許で運転し、清掃ボランティアをしていた55歳の男性と52歳の女性をわざとはねて殺害したとして、殺人やひき逃げなどの罪に問われています。

被告は、事件の2日前に別の罪で服役していた刑務所を出たばかりで、出所後の生活などへの不安から「長く刑務所に入っていたい」と考えて事件を起こしたとされています。

1審の裁判員裁判は、求刑通り死刑を言い渡しましたが、2審の仙台高裁は、先月16日、「犯行の動機は刑務所に入りたいというもので、他人を殺害すること自体が目的ではない。これまで死刑になった事案に匹敵するとまで言えない」などとして、1審の死刑を取り消して無期懲役を言い渡しました。

これについて、仙台高検は判決を不服として2日までに最高裁判所に上告しました。

仙台高等検察庁の山崎耕史次席検事は「判決内容を検討し、上告すべきとの判断にいたり、上告を申し立てました」というコメントを出しました。