入所者殺害の介護施設 福島県と小野町が特別監査を実施
介護施設の入所者が担当する介護福祉士に暴行を受け殺害された事件を受けて、福島県と小野町は16日、この施設の特別監査を行いました。
職員への聞き取りなどから、この施設では介護職員の配置が足りない状態が続き、虐待防止の研修も不十分だったことが確認されたということです。
この事件は、ことし10月、小野町の特別養護老人ホーム「つつじの里」で、入所していた当時94歳の女性が殺害されているのが見つかったもので、この施設の41歳の介護福祉士が殺人の疑いで逮捕されました。
これを受けて、県と町は16日、特別監査に乗り出し、午後1時すぎ、県と町の職員あわせて9人が施設に入りました。
県と町によりますと、ことし5月以降、介護職員の配置が、自ら町に届け出ていた必要数を2人から3人下回り続けていました。
また、入所者への虐待防止の研修は、職員の間でテキストを回覧してレポートを作っていただけで、その内容も、人手不足を背景に定型化した不十分なものだったということです。
特別監査を担当した県高齢福祉課の角田和行課長は、報道陣の取材に応じ「施設の職員には、虐待のおそれがあれば通報する義務があるので、職員の間で情報を共有して取り組むよう指導した」と話していました。