「雪泥流」の恐ろしさを災害現場で学ぶ催し 鰺ヶ沢町
鰺ヶ沢町で21日、「雪泥流」と呼ばれる自然災害の恐ろしさを知ってもらおうと、災害現場を歩きながら学ぶ催しが開かれました。
鰺ヶ沢町の大然集落は、終戦の年の昭和20年3月、近くを流れる赤石川で雨を含んだ大量の雪が土砂と一緒に流れ下る「雪泥流」が発生し、21軒あった家のほとんどが押し流されるなどして一晩で消滅しました。
住民88人が死亡し、国内最大の雪泥流災害になったということです。
21日の催しは「雪泥流」の恐ろしさを知ってもらおうと鰺ヶ沢町が初めて開き、町内外から10人が参加しました。
参加した人たちはガイドから説明を受けながら、いまは無人となった集落を1時間半ほどかけて巡り、高台にある神社では、裸同然で逃げ込んできた22人の住民が、やむをえず絵馬を燃やして暖を取るなどしたことで奇跡的に命が助かったと説明されていました。
また、雪泥流の高さが9メートルほどと大規模な災害だったことを記す追悼碑の前では、静かに黙とうをささげていました。
参加した地元の60代の女性は「災害があった場所だとは知っていましたが、改めて詳しく知ることができてよかったです」と話していました。
また、青森市から参加した20代の男性は「深夜に起こったことで対処がより難しかったと思います。見える形で災害の歴史を保存することの大切さが分かりました」と話していました。