インフルエンザ 関西で患者急増 奈良と和歌山は警報レベル超

関西2府4県のインフルエンザの患者は急速に増えていて、奈良と和歌山では大きな流行が起きているとされる「警報レベル」を超えました。

厚生労働省のまとめによりますと、今月(12月)10日までの1週間に関西2府4県で調査の対象となっているおよそ790の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は2万820人で、前の週のおよそ1.3倍に増えました。
ひとつの医療機関あたりの患者数を府県ごとにみると、▽奈良が33.65人、▽和歌山が30.37人、▽兵庫が29.78人、▽滋賀が27.7人、▽京都が24.83人、▽大阪が22.2人で、奈良と和歌山では大きな流行が起きているとされる「警報レベル」の30人を超えました。
各府県は感染対策を徹底するとともに、発熱などの症状がある場合は早めに医療機関を受診するよう呼びかけています。

【専門家“大きな流行のおそれ”】
インフルエンザの関西の流行状況について、大阪府済生会中津病院感染管理室長の安井良則 医師は「このままの勢いで感染が広がると、数年に1度の大きな流行になるおそれがあり警戒が必要だ」と危機感を示しました。
関西でも警報レベルを超える自治体が出ていることについて、安井医師は「新型コロナの影響でこの3年間はインフルエンザの流行がほとんどなかったが、今シーズンは本格的な流行に入りつつある。例年は年が明けた1月ごろに警報レベルを超えることが多かったが、今シーズンは流行が早く始まりずっと増加傾向が続いている。ここまで流行してしまうと今後も感染が広がる可能性は高い」と説明しました。
その上で注意点について、「この3年間はほとんどの人がインフルエンザに感染しておらず、免疫がないところにウイルスが入ってきているため非常に広がりやすい状況になっている。年末年始は人が集まる機会が多いが、できるだけ換気を行うことや体調が悪い場合は集まりの場に行かないよう徹底してほしい。基本的な感染対策とともに思いやりをもって人に感染させない行動をとってほしい」と呼びかけていました。