京都 保津川下り転覆事故で再発防止策 船頭転落の対策徹底へ

ことし3月、京都府亀岡市で観光客を乗せた「保津川下り」の舟が転覆し、船頭2人が死亡した事故で、運航会社が、来月(6月)にも再発防止策をまとめ、公表することがわかりました。
船頭の転落を防ぐため、足場を改良するなどの対策を徹底するということです。

ことし3月28日、亀岡市の通称、保津川で、観光客25人と船頭4人の合わせて29人が乗った川下りの舟1そうが岩にぶつかって転覆し、一時、全員が川に投げ出され、船頭の男性2人が死亡しました。
警察と国の運輸安全委員会が事故の原因を詳しく調べていますが、運航会社は、後方にいた船頭がからかじと呼ばれるかじの空振りでバランスを崩し川に転落したことをきっかけに転覆にいたったとみています。
来月にも再発防止策をまとめて公表する方針で、具体的には、重心が低ければ船頭が転落しなかったとして、足を開いて腰を落とすなど適切な姿勢を取れるよう舟の足場を改良するということです。
また、船頭が転落した際、かじが上下逆さまになり、ほかの船頭が使えない状態になったことから、かじを固定するベルトを取り付けます。
このほか、手動でふくらませる救命胴衣をつけていた客のうち8人が操作できていなかったため、自分でふくらませる必要のないタイプに切り替えます。
保津川下りは運航が休止され、再開の見通しは立っていませんが会社は警察と国の捜査や調査の結果などを踏まえて再発防止に努めたいとしています。