iPS細胞 臨床研究で論文

3年前、世界で初めてiPS細胞から作った組織を重い目の病気の患者に移植する臨床研究を行った神戸市の理化学研究所などのグループがこれまでの結果について「移植した細胞のがん化や拒絶反応は起きておらず、iPS細胞を使った治療の安全性が示された」とする論文を海外の医学誌で発表しました。
理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーなどのグループは、3年前、加齢黄斑変性という目の病気の70代の女性に本人のiPS細胞から作った網膜組織を移植する世界で初めての臨床研究を行い、大きな注目を集めています。
グループではこれまでの結果について16日発行のアメリカの医学誌「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に論文を発表しました。
それによりますと手術前は症状が進み、徐々に悪くなっていた患者の視力は手術後、ほかの治療を行わなくても悪化が止まり、同じ視力を保てているということです。
また、これまでに移植した細胞のがん化や拒絶反応などの有害な症状は起きていないとしました。
このためグループでは「iPS細胞から作り出した網膜を移植する治療の安全性が示された」と結論づけています。
グループでは現在、他人のiPS細胞を使って同様の治療を行う「他家移植」の臨床研究を計画していてことし前半にも実施するということです。