B型肝炎救済巡り2審逆転敗訴

B型肝炎患者への国の救済策で発症から20年を超えると国の給付金が減額されることをめぐり、20年以内に症状が再発した患者が国を訴えた裁判で、福岡高等裁判所は「再発は、以前のものと質的に異なるとはいえない」として、1審の判決を取り消し、訴えを退ける判決を言い渡しました。
福岡県に住む60代の男性患者2人は、幼いころに受けた予防接種で注射器を使い回されたことによりB型肝炎ウイルスに感染し、慢性肝炎を発症したとして、国に損害賠償を求めています。
国の救済策では、慢性肝炎の場合、1250万円の給付金が発症から20年を超えると最大で300万円に減額されますが、2人はそれぞれ平成16年と平成19年に症状が再発したことを踏まえ、「20年以内に発症していて減額は不当だ」と主張し、国は、「最初の発症が基準だ」などとして争っていました。
1審の福岡地方裁判所は、おととし、訴えを認め、2人にそれぞれ1300万円余りを支払うよう国に命じ、国が控訴していました。
15日の2審の判決で、福岡高等裁判所の山之内紀行裁判長は、「慢性肝炎は、もともと、長期経過の中で肝機能が良くなったり悪くなったりを繰り返すことが多い」と指摘しました。
その上で、「一度、症状が治まっても、B型肝炎ウイルスへの反応であることに変わりなく、再発した慢性肝炎が、以前のものと質的に異なるとはいえない。損害を請求する権利は最初の発症時期となり、権利は、消滅している」として1審の判決を取り消し、患者の訴えを退ける判決を言い渡しました。