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ドラマ「生き残れ」


「生き残れ」は、2005年5月に放送された、過去の番組です。

以下は放送開始前にご案内した過去の情報で、日付・予定などは現在のものではございません。

マラッカ海峡で海賊に日本船が襲われた!
襲撃・監禁・そして 漂流
大海原に投げ出された人間たちが極限状態の中で繰り広げる
“究極のサバイバルストーリー”!

 東南アジアにあるマラッカ海峡は最小幅600メートルの海運輸送路。ここは、日本へ海上輸送される石油のおよそ80%が通る、海洋国家・日本のライフラインである。

 そのマラッカ海峡に出没する海賊が、国際問題として大きくクローズアップされている。その無法水域で日本船が襲われた。襲撃・監禁・そして 漂流…救命ボートに投げ出された男たちの過酷な運命が、不安定な世界情勢下の日本の現実を浮き彫りにする…。

【放送】総合・デジタル総合
2005年5月14日(土)◆午後7時30分〜8時44分
BShi5月4日(水)◆午後8時00分〜9時14分

【作】井上由美子
【音楽】川崎真弘
【主題歌】「パルス」/B’z
作詞 KOSHIINABA
作曲 TAKMATSUMOTO
【出演】阿部寛 塩谷瞬 山野史人 ドーム ヘータクン 
佐藤寛子 小沢仁志 ナオコ・シーナ ほかのみなさん

ドラマ『生き残れ』作者ノート
『足かけ3年』…井上由美子
 このドラマの脚本を初めて書いたのは2002年の夏でした。
 マラッカ海峡で起こった海賊事件のルポルタージュを読んだのが始まりです。
 最初は現代でも海賊事件が起こっていることに単純に驚き、日本という国が海に囲まれていることを久しぶりに思い出しました。日常では、外国に行くのも飛行機、海外に手紙を送るのもインターネットという生活をしているため、「海」を意識することが実感としてなかったからです。でも、日本は周囲を海に囲まれています。海を通らなければ、一歩も外へ出られないし、当たり前のように口にしている食べ物の多くも入ってきません。
 こわくなりました。不安になりました。折しも、ニューヨークでは9.11事件が起こり、世界はテロリズムに揺れ始めていました。もしかしたら――日本は海のなかで揺れている一艘の救命ボートのような存在に過ぎないのではないだろうか――。
 そして、この物語を書きたいと思いました。漂流するボートに乗り合わせた人たちが何を支えに生き残っていくのか、命と希望の物語です。
  ドラマの撮影はバリ島の爆破事件で延期になり、なんと翌年の再チャレンジでもSARS騒動でまた無期延期に追い込まれました。もう制作は行われないだろうと諦めかけましたが、プロデューサーの内藤氏と演出の加藤氏が粘りに粘り、今回の撮影にこぎつけました。しかし、喜んだのもつかの間、撮影中に実際に日本船が海賊に襲われる事件が起こってしまいました。事件の関係者の方の心情を思うと複雑ですが、フィクションとして一つの希望の形を出せればと思っています。
 書いてから3年もたって陽の目を見るのは初めてのことで、ドラマ自体が「生き残った」作品でもありますので、応援いただければ幸いです。

制作にあたって
「生きてることの喜び」を伝えたい…内藤愼介
 マラッカ海峡に出没する現代の海賊は実に計画的かつ凶悪な強盗集団です。今年3月にマラッカ海峡で起こった海賊事件で、「海賊」という言葉は一躍注目されましたが、現実として事件が起こる前から海上警備関係者の間では、海賊の実態はかなり知られていました。
 ドラマ「生き残れ」は、1999年(平成11年)11月にマラッカ海峡でパナマ船アロンドラ・レインボー号が海賊に襲われ、船ごと行方不明となり2週間あまり後、救命ボートで日本人2人とフィリピン人15人が奇跡の生還をした事件を知ったところからスタートしました。
 平和な社会の中で暮らしていて、人の命の重さが軽く見られがちな現代、船員たちが一つの水、一つの食料を分け合って生き抜いた現実。漂流していた間、彼らの中で何があったのか、何を思ったか、また、「生きる」ってことはどういうことか、そのことを表現できたら…脚本の井上由美子さんは見事にライフラフトというワンステージの中に、ドキュメンタリーとは違うフィクションの世界で人間の葛藤を盛り込み「人は自分だけで生きてるのではなく、人に生かされながら生きている」ということをドラマの世界で表現してくれました。
 人の命(希望)がどれだけ大切か、どれだけ尊いものかをドラマを通して再確認していただければと考えています。どうぞご期待ください。

演出にあたって…加藤拓
 完成するまでに随分時間がかかった分だけ、関わった人間も多い。マラッカ海峡について様々な情報を与えていただいた方々であったり、一旦は集まったものの制作延期にともない解散したスタッフであったり、そしてようやく撮影するにいたって結集した日本・タイの合同スタッフ、俳優の皆さんだったりと、本当に多くの人間が関わったドラマです。
 日本のライフライン―マラッカ海峡という大きな背景の中の、直径4メートルに満たない小さなライフラフト。逃げ場はありません。いまだに終結を見ない世界の紛争、日常的に起こるようになってしまった凄惨な事件、取るに足らない諍いや、隣人との些細な口論・軋轢に至るまで、人は人と向き合うことから逃げられません。「大海原の密室劇」―この逃げ場のないライフラフトの中で、人間が生きるために何が必要で何が欠けているのか。ドラマという表現の面白さと難しさを思い知った企画でした。
 それにしてもこのドラマに関わった人々は、出口の見えない制作期間と、過酷なロケによくも逃げずに向き合ったと思います。タイのスタッフ・俳優は、言葉の壁を越えて驚くべき力を発揮してくれました。皆の力をもって完成に至り、ようやくこのドラマが船出の日を迎えたことに僕は本当に感動しています。

あらすじ
 今井孝彦(阿部寛)はタイの港町で荒くれ者たちと賭け事に興じていた。今井が賭けに勝ち、相手から奪った品は日本人船員からすったという財布。栗原俊介(塩谷瞬)は、貨物船の二等機関士。財布をすられたことに慌てる俊介だったが、現地の警察官は取り合ってくれない。「盗まれたお前が悪いのだ」というのがこの国の考えである。
 希望を抱き船乗りになった俊介だったが、海運不況で船員たちの現実は厳しく、老船長の勝呂啓二(山野史人)は三等航海士・アルン(ドーム・ヘータクン)をはじめとする規則にルーズな船員たちを叱らず逆に気を遣い、13人の船員はほとんどが外国人という有様にも夢を大きく打ち砕かれている。そんな俊介を恋人のまなみ(佐藤寛子)は彼が船から降りるのではないかと心配していた。
 シンガポール沖を航海する俊介の船が海賊に襲われたのはその夜のことだった。俊介は海賊に抵抗するが、13人の船員はライフラフト(救命ボート)に乗せられ、大海原へ投げ出される。ライフラフトに移される時、海賊のメンバーに今井の姿を見た俊介は、怒りを爆発させ今井に体当たりを食らわす。もみ合う中、俊介とともに今井も海に落ちる…。

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