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ドラマのみどころ


ドラマのあらすじ


 1982年、夏。シンガーソングライターの櫻井雅彦(坂口憲二)は、盆祭りの「精霊船」を引くため、長崎に帰郷した。雅彦のよき理解者だった叔母の節子(風吹ジュン)の新盆である。祭りの前に雑誌の取材を受けた雅彦は、少年時代から青春の日の忘れられない人々に思いをはせる。生き急いだ従兄弟の春人(中村俊介)、春人の恋人で、雅彦の初恋の人・木下徳恵(滝沢沙織)、バイオリンのライバル岸田涼子(新山千春)。そして雅彦と涼子には、哀しい恋の物語があった…。


「精霊流し」のドラマ化によせて

原作者:さだまさし


 まさかこんな事になるとは思いもしませんでした。同郷の大先輩、市川森一先生のおカと熱意が沢山の人を動かしたのですね。本当に有難う御座います。何だか嬉し恥ずかしってやつですか。とにかく、役者さん達が、今をときめく素晴らしい人たちばかりなので、感激しています。切なく、いじらしい生活の中で誰もが悩み苦しみながら生きています。ですから誰にもきっと忘れられない「生命」があると思います。僕が綴った「命の歌」を市川先生が素晴らしいドラマにしてくださいました。
 人を人と思わない時代。自分の命は自分だけのものなのでしょうか。誰もが沢山の命とつながり、支え合い、肩寄せ合っていると思うのです。生命の軽い時代に、どうか、生命の重さが届きますように。小さな小さな人生を一所懸命生きる人々の叫びが届きますように。みなさん、本当に、有難う御座います。ただただ、感謝を捧げながら、僕は過酷なコンサートを闘っています(笑)本当に有難う。


清涼な憂愁

脚本:市川森一


  「長崎は、清涼な憂愁の漂う町である。」
 原田伴彦氏の名著「長崎」(中公新書)の冒頭の一行だが、長崎の特徴をこれほど簡潔に言い表した言葉を私は他に知らない。
 そしてそれは、さだまさし氏の歌の世界にも当てはまるように思える。さだ氏が紡ぎ出す歌にはどれも、清涼な憂愁が漂っている。名曲「精霊流し」はその最たるものだろう。
 さだ氏の小説「精霊流し」を読んだ時にも、私は同様の、清涼な憂愁を全編に感じた。これをドラマ化する際には、その長崎独特の清涼な憂愁の部分を理解しないといけないだろうなァ、と思ったので、自分としてはめずらしく(正確にはプロになって初めてのことだが)、自らすすんで脚色を名乗り出た。
 プロデューサーの近藤晋氏とは、映画「長崎ぶらぶら節」など数本の長崎ドラマでコンビを組んできた仲だし、演出の中山秀一氏は、詩情を描かせたら天下一品のベテランである。こんな恵まれた布陣と素晴らしい原作の下で、もしも作品のデキが悪かったりでもしたら、それは余程に脚本が悪かったことになる。その点ではオリジナルよりも緊張を強いられる作業だった。


制作にあたって

制作統括:菅野高至(NHKエンタープライズ21)


 「青春」という言葉は、悲しいことに、今や死語に近いのですが、この物語は、若者の愛と青春の旅立ちの物語であります。さだまさしさんの少しレトロで懐かしい、愛情あふるる傑作小説を、市川森一さんに、独特の文体で、それはそれは素敵な脚本に紡ぎあげていただきました。
 女性が主人公の夜の連ドラ、その第5弾にして、初めて男性が主人公となります。その主人公・雅彦を演じるのは、連ドラ初主演の坂口憲二さんです。
 「坂口憲二こそ、まっとうな若大将なのだ」…佐野史郎さん(雅彦がバイトで勤める居酒屋の店主役)の言葉です。第4回で、坂口さんが、丼飯をむさぼり食うシーンがあります。自分は天才じゃない、バイオリンのソリストとして、有名になんかなれない、芸大受験を辞めたい、そう父に打ち明けようと思いながら、メシを食べる芝居です。佐野さんの仰る通りで、坂口憲二さんは、久々に、メシを食べるのが絵になる若大将なのです。
 青春の光と影。従兄弟同士で、雅彦とコインの裏表の春人を、中村俊介さんが演じます。これは、贅沢なキャスティングです。
 そして雅彦には、3人のマドンナがおります。初恋の人・徳恵、舞い降りた天使の涼子、そして、永遠の恋人・伯母の節子です。小悪魔・徳恵を、フレッシュな滝沢沙織さんが演じます。ある日突然、雅彦と恋に陥る天使は、新山千春さん。これも、贅沢……です。そして、なぜ伯母の節子が永遠の恋人なのかは、見てのお楽しみですが、風吹ジュンさんが、女と母の間で揺れる女性を、素敵に演じて、絶品であります。晩秋の夜長に、どうぞ、ご期待下さい!




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