「秋日子かく語りき」は、かれこれ十年以上前、私がまだシナリオライターとして駆け出しだった頃に、民放の深夜枠で一度だけ扱った作品です。大好きな大島弓子さんの作品群の中でも、とりわけ思い入れの深いこの物語を、もう一度、こうしてドラマ化する機会をいただいたことに、不思議な縁を感じないではいられません。私事ですが、私も物語の中の竜子と同じく、夫と、子供の二人いる身です。結婚十年目を迎えようとするこの頃になって、結婚とは何か、夫婦とは何かを、しきりに考えるようになりました。本当に自分は人を愛し、人に愛されているか——疑ってかかればいかにも脆く、いびつな家族と言う関係の中で、迷いの時期は幾度も訪れるものだと思います。私と同じように、そんな迷いを抱いて生きている人たちの心を、このドラマが一瞬でもささやかな光で照らすことが出来ればと願っています。 プロフィール 1961年生まれ。神奈川県出身。CX「ラブ・ジェネレーション」「ミセス・シンデレラ」など民放ドラマの第一線で活躍。最近は「大奥」で時代劇のジャンルでも評価を得る。NHKドラマは今回が始めて。