公事宿とは、江戸時代に庶民の訴訟手続きなどの代行を行った、現代の司法書士・弁護士事務所と、その宿泊所の役割を果たした旅寵である。公事は、江戸時代の民事事件を指す。これらの裁判・判決のために人々が各地から江戸や京都に出てきた。だが、すぐに裁判が始まり、判決が出るというものではなく、それを待つ間に泊まったり、あれやこれやと提出書類を書いてもらったのが公事宿であった。訴訟や犯罪にまつわる人間模様が、日夜この公事宿で繰り広げられていた。 江戸時代の京都を舞台に、正妻の子である弟に家督を譲り出奔した主人公・田村菊太郎が公事宿・鯉屋(こいや)に居候しながら、京都東町奉行所同心組頭の弟を助け、事件を解決していく。頭も切れれば腕も立ち、義侠心も強く粋な男・菊太郎の推理と刃が人の心の闇に迫る痛快時代劇。 |