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あらすじ
長い間、多くの人々に愛され続けてきた手塚治虫の「火の鳥」には、わたしたちが深く考えるべき二つの大きなテーマが描かれています。
そのひとつは、「歴史」「宗教」「愛」「寿命」「生き様」といった人類に普遍的な「生」の問題です。
もうひとつは、科学や文明の発達にともない提起され始めた、「環境」「遺伝子操作」「クローン技術」「ロボットと人間の関わり」という、わたしたち現代人が今まさに直面している、新しい問題なのです。
50年も前に描き始められた作品にもかかわらず、「火の鳥」は21世紀を生きるわたしたちにとっても「人間とは、生命とは何か」を問い続けている物語です。
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黎明編(1〜4話)
3世紀を舞台に、「永遠の命」を求める人間の愚かしさと悲しさを描きます。
火の鳥の住む火の山のふもと、ヒの国に暮らす少年ナギ。ナギの姉・ヒナクは、海の向こうから流れ着いた薬師(くすし)グズリの治療で命を救われ、やがて二人は恋に落ちる。しかし、二人の婚礼の夜、グズリはひそかに宴(うたげ)を抜け出し、海岸で仲間とおちあう。そこへ現れたのは、ヤマタイ国の女王・ヒミコから命令を受けた将軍・猿田彦のひきいる大船団だった――。

復活編(5〜6話)
25世紀の月面を舞台に、医療と「永遠の命」を描きます。
研究施設の爆発に巻き込まれ瀕死の重傷をおったレオナは、最新の医療技術でよみがえる。しかし手術の影響か、爆発以前の記憶をなくし、まわりの人間たちがガラクタに見えるようになってしまった。レオナの旧友・ランプは、なんとかしてレオナの記憶を取り戻し、彼だけが知っている「フェニックスの秘密」を手に入れようとする。そんなとき、レオナは、ただ一人だけ人間の姿に見える女性・チヒロと出会う。

異形編(7話)
時間の檻の中に閉じこめられ「永遠の命」を得た女性の姿を描きます。
男として育てられた左近介は、非道の父を助けようとする八百比丘尼を斬りに出かける。比丘尼を斬ったあと、寺から帰れなくなった左近介は、自分たちが時間の輪の中に閉じこめられてしまったことを知る。実は比丘尼こそは、未来の自分自身だった!?

太陽編(8〜11話)
7世紀を舞台に、「権力」と「宗教」を描きます。
戦いに敗れたハリマは、顔の皮をはがれ狼の皮をかぶせられる。一命をとりとめ、倭(日本)へやって来た彼は、小さな村の長に推挙され「犬上」と名乗る。時の朝廷では、仏教を国家宗教として保護し、古くから続く土地の神々への信仰を止めさせることで、その権力を強めようとしていた。偶然、土地神の娘を助けたことがきっかけとなり、犬上は村人に対する責任と土地神への信仰を守るため、大王(おおきみ)の弟に助力を求めて大津京へ向かう……。

未来編(12〜13話)
遠い未来、人類文明の末期を舞台に、手塚治虫独自の時間・輪廻・生命観を描きます。
地上は荒廃し、人類は地下都市で暮らすようになっていた。恋人の地球外生命ムーピーをかくまったことで自分が住む地下都市を追われたマサトは、地上で隠遁している猿田博士のもとへたどり着く。そのとき、地下都市を管理するコンピュータ同士が最終戦争を起こし、全都市が壊滅。猿田博士らも放射能障害で死亡し、火の鳥の血を飲んでいたマサトただ一人を残し、人類は滅亡した――。
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